龍村裂 たつむらぎれ

昔の紋様文化と
想いをつなげる
龍村美術織物。

おじいちゃん、おばあちゃんからお孫さまへ。
歴史を感じる伝統の織物に、
健やかに育ってほしいと想いを乗せて。

龍村裂の魅力

室町時代の「糸屋輪宝手いとやりんぽうで

現代ではめずらしい、経錦の織り方や幅の広いの織機を使用しています。
この方法にこだわるのは、生地の繊細さや柄の構成をきれいに出すため。飛鳥時代や室町時代に使われていた柄を丁寧に復元し、五月人形に取り入れています。
龍村裂の丁寧な打ち込み技術によって、なめらかでありながらも折り密度が高い、強さのある正絹生地。兜の吹き返しのきれいな曲線や、品格のある袱紗を演出します。

桃山時代の「菊もみきくもみ

本阿弥光悦の「大菊もみ」というもみ紙の文様を、抽象的・立体的に織物にうつしたもの。
彼は美術工芸の独創的な天才と呼ばれ、桃山時代のあらゆる分野の芸術に花を咲かせました。
桃山文化の豪華さ、華麗さが五月人形を華やかに演出します。

ムガール王朝の名物裂を
ヒントに織られた「五葉華文ごようかもん

16世紀にインドから伝わった「モール」という技法を使った名物裂を参考に織り出した生地。
五華文様を色糸で、草花文様を撚金系でモール風に織り出した裂地です。精緻な織技によって、風格のある文様構成や配色の加減を表現しました。また、金系、銀系が高級感を漂わせます。

伝統の文様を復刻した「美術織物」。
   五月人形をとおして、現代にも
受け継いでいきたい。

まごころと文化を伝え、
繋げていく五月人形

現代では、織物に触れる機会がどうしても少ないですが、五月人形は、毎年飾って楽しむもの。
「五月人形が織物という文化に触れるきっかけになり、心が豊かになって育ってほしい」そんな気持ちが込められています。
また、五月人形はおじいちゃん、おばあちゃんや親御さまが、想いを込めて贈るものです。
昔の文化やご家族の気持ちが伝統文化とともに伝わっていきますように。

龍村美術織物の歴史について

明治27年
初代平藏、織物業を創業。
大正10年
正倉院宝物裂、名物裂などの研究に着手。
昭和4年
昭和天皇御即位大礼記録表紙裂謹織。
昭和29年
クリスチャン・ディオールの依頼を受け、名物裂など7点を制作。
昭和33年
初代平藏、紫綬褒章受章。
昭和44年
大阪万博に際しタペストリー「原爆」「平和」を制作。
昭和52年
パリ・オ・プランタンにて「龍村・大彦美術衣装展」を開催。
平成2年
今上天皇即位の礼に御使用裂を謹織。秋篠宮殿下・紀子妃殿下「納采の儀」用絹巻物謹織。
平成18年
四代平藏を襲名。
平成25年
『創業120年記念龍村平藏「時」を織る』を開催。全国4会場でのべ13万人が訪れる。歌舞伎座(第5期)緞帳制作。
平成27年
祇園祭大船鉾 前懸「紅地雲龍青海文」を復元。